102人が本棚に入れています
本棚に追加
/12ページ
「愛、これカフェオレ。零すなよ。今母さん居ないから、お菓子とかどこにあるかわからないんだ」
「ありがと! もうそんな小さい子じゃないんだからこぼさないよ。遼くん、失礼じゃない? お菓子は今いらない、帰ったらごはんだから」
ホントはおなか空いてたけど、わたしはマグカップを受け取って平気なふりした。
たぶん、遼くんにはばれてると思う。ぐーって鳴らないといいなぁ。
マンションのおとなり同士で、ずっとなかよくしてもらってる十歳年上の遼くん。
一人っ子のわたしには、ホントのお兄ちゃんみたいだった。前は。
……今は、ちょっとちがう。
もちろん、遼くんが嫌いになったとかじゃないの。
そうじゃなくて、同じ好きでも特別になってたんだ、いつの間にか。
最初のコメントを投稿しよう!