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「愛、これカフェオレ。零すなよ。今母さん居ないから、お菓子とかどこにあるかわからないんだ」 「ありがと! もうそんな小さい子じゃないんだからこぼさないよ。遼くん、失礼じゃない? お菓子は今いらない、帰ったらごはんだから」  ホントはおなか空いてたけど、わたしはマグカップを受け取って平気なふりした。  たぶん、遼くんにはばれてると思う。ぐーって鳴らないといいなぁ。  マンションのおとなり同士で、ずっとなかよくしてもらってる十歳年上の遼くん。  一人っ子のわたしには、ホントのお兄ちゃんみたいだった。前は。  ……今は、ちょっとちがう。  もちろん、遼くんが嫌いになったとかじゃないの。  そうじゃなくて、同じ好きでもになってたんだ、いつの間にか。
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