犠牲者たち

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 落ち着け。  あれはドイツ兵じゃない。  アミの仲間だ。  もう一人は、アミの保護者であるガリル・ザウァーの取引相手という武器職人その人であろう。  ちらりと送った視線の先には、こちらに背を向けた黒ずくめの男。  彼の前には、ころころ太った老人が立っていた。  狡猾そうな細目を、笑みの形に歪めて。 「頼まれていた物はこれだ」  老人が黒衣の男に包みを手渡す。  ──何だ?  扉の隙間から目を凝らすも、ラドムの元からは彼らの手元までは見ることが出来なかった。 「アミも十四歳になったか。女の子だから成長もそろそろ止まる。頻繁に取り替える必要もないだろう」 「ドイツに戻るというのは本気か、ユージン・ストナー」 「ああ、この時世だ。ドイツの方が仕事があるだろう」 「……ガリルの情報を手土産に、か」
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