悲観主義の人間たちと到着列車

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※この物語はフィクションです。 自殺を助長または教唆(きょうさ)ものでありません。 法律・法令に反する行為を容認・推奨するものではありません。 事故等につきましては私は一切責任を負いません。 ある少年が電車を待っていた。 学校の帰り道、寄り道したら遅くなった。 10分経ったところで電車が来るアナウンスが流れる。 『2番線ホームに入ります列車はただいま事故が発生し10分ほど到着が遅れています。今しばらくお待ちください』 それを待つ少年は考えた。 事故?浮かぶ言葉はどれも現実味を帯びていた。次第に聞こえてきた声にその意味が含まれていた。 隣には2人の女子高生。 「ねぇ、今の事故。飛び降り自殺らしいよ。このつぶやき見てよ」 飛び降り自殺。自ら身体を線路に投げ捨てる行為。誰だって知っている。それはさっき浮かんだ言葉の中にあった。 「なんでも受験生らしくって勉強が嫌になったんだって」 勉強一つで命を捨てる。本来あってはならない行動。 馬鹿らしいと口を尖らせる暇もなく話は続いた。 「それが塾の講師に楯突いたらしく喧嘩になって『死んでやる』って突っぱねたらしいの。それでね、講師がこう返したんだって『死ねるものなら死んでみろ』って」
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