悲観主義の人間たちと到着列車

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ある少女が電車を待っていた。 学校の帰り道、寄り道したら遅くなった。 ホームに上ったところでアナウンスが流れる。 『2番線ホームに入ります列車は、 予定通りの時刻で到着します。 黄色い線の内側にお下がりください』 少女は、 耳にヘッドホンを付けた。 周りの声が聞こえないように。 それからは音楽に集中した。 電車の光が差した。 黄色い線を跨ぎ 車内へと足を踏み入れる。 今日もできなかった、と嘆いて。 おしまい。 ©2021年 冬迷硝子。
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