7章:誓言

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 恥ずかしさで泣きながら、 「もう帰ります、お願いだから帰らせてください」 「うーん、すごく名残惜しいんだけど」  そう言って先輩は続ける。「明日までうちにいれば? あ、このまま一生でもいいけど」 「いやですって!」  思いっきり叫ぶと、思った以上に声がかすれていて、先輩はまた楽しそうに笑った。 「まぁ、柊刑事も心配だろうし仕方ないかなぁ。あ、そうだ。柊家に俺が住むっていうのはどう?」 「絶対いやです!」 「今のは、本気の『いや』だなぁ」  そんなことを先輩はつぶやき、微笑む。  どういう意味よ、と睨むと、 「その目されると、またムラムラするけど?」 「ひっ!」  さっと自分の目を隠した。なななななななにそれ!  私は慌てて何とか先輩から離れる。もう次、手を出したら噛んでやる! そんな気持ちを知って知らずか、先輩は苦笑しながら私の顔を見て、息を吐いた。
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