7章:誓言

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 すると、先輩はコーヒーを淹れてくれていて、クロワッサンとサラダとともにテーブルに置いてくれる。 「あさごはん、食べていきな」 「……ありがとうございます」  そのまま目線を朝食に固定して、いただきます、と食べ始めた。  先輩の前に座ってることが、なんだかすごく気恥ずかしかいのはなぜだろう。 「お、おいしいです」 「うん、良かった」  先輩は笑って向かいの席に座る。私は、そのまま下を向いて黙々と食べていた。  先輩は私を安心させるためなのか、 「そういえば、みゆんちの庭って池あったの?」 と全然関係のない話題にしてくれる。 「あ、あれは昔一匹だけ鯉がいて」 「へぇ」 「でももういないです。だからもう水も入ってないですよ」 「そういえばそうだよね。ずっと不思議だったんだ」 「水のない大きなくぼみだから?」 「うん。刑事の家だから泥棒対策に落とし穴でも掘ってるのかと思ってた」 「なにそれ」  思わず笑うと、先輩は安心したように笑った。
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