7章:誓言

9/14
前へ
/302ページ
次へ
 次の日、もうこれからどうするか考えるのも嫌になって、ぼんやり家事をしていると、玄関チャイムが鳴った。  なんとなく嫌な予感がしつつも、父も出勤していたので、私はしぶしぶ玄関に出る。  宅配の可能性もある。父の趣味はネットショッピングなのだ。  玄関扉を開けると、先輩と、そしてその後ろには大きな荷物を抱えた男の人、そして他にも数人の作業着の男性が立っていた。  これは予想外だ。完全に予想外だった。 「な、なんですか……!」  私が驚いて叫ぶと、先輩はにこりと笑い、 「せっかく池があっても水もなくて残念に思ってたんだよね。だから紅白と金の錦鯉を20匹ほど見繕ってきた。みゆへのプレゼント。あ、もちろん鯉の世話役もつけるね。工事もあるし、庭にはいらせてもらうよ」 と言うと、男の人たちにお願いをして、そのまま男の人たちは何やら庭の工事をし始める。  ちょ、ちょっと待って!  昨日はじめての朝を迎えて、次の日家にやってきたと思ったら、庭の工事はじめるの!? 鯉20匹って何? そもそもさっき鯉の世話役って言った⁉ 鯉に世話役っているの? なに⁉ どういう事⁉
/302ページ

最初のコメントを投稿しよう!

903人が本棚に入れています
本棚に追加