7章:誓言

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 混乱して、 「おおおおおお父さんにも言ってないのに!」 と小学生じみたことを言ってしまう。 「もちろん許可もらっておいたよ。昨日」 「勝手に!」 (お父さん、聞いてないよ⁉)  そういえば、今日の朝、父は半笑いで家を出て行った。……このことか!  私は頭を抱える。先輩とこれからどう接していいのか分からない、と思っていたけど、そんなこと吹っ飛んでいた。  先輩の言動はすべて意味不明だ! しかも父までこのノリにストップをかけてくれてない。最低だ。最低最悪だ。  それに、先輩のプレゼントってどこかおかしい。ダイヤの指輪は突き返したし、カードキーは秘密裏にそっと置いてきたけど、まさか次のプレゼントが池と鯉(と世話役)って……。  なんていうか、先輩って、ちょっと金銭感覚もおかしい気がする。そりゃ先輩なら弁護士としても活躍しているだろうけど、それもここ数年の話のはずだ。  あんな高級そうなマンションに住んで、こんなプレゼントをさらっと渡そうとしてくる先輩の正体が不思議で仕方ない。
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