7章:誓言

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「金曜の夜はみゆのハジメテもらえて嬉しくってさ。あれからみゆのことばっかり考えてたんだよ」 「もう、あの日のことは言わないでくださいよ。忘れようとしてたのに!」  その時、先輩の手が私の唇を撫でる。 「絶対に忘れちゃだめだよ」  どきりとして固まると、そのまま先輩の顔が近づいてくる。キスだ、と思って、私はその顔を思いっきり、ぐい、と押して反対方向へ向けた。 「白昼堂々セクハラしないでください! 訴えますよ!」 「その場合、もちろん俺がみゆの弁護をするけど、俺が相手っていったいどうすればいいか悩んじゃうね?」 「とりあえず、あの鯉を返品してきてください」 「また俺の愛を全身で受け取ってくれるなら」 「イヤです。ってか、そんなもの受け取りません!」 「でも、一昨日の夜は受け取ってくれたよね?」  耳元でささやかないでっ!  思わず耳を手でふさぐ。同時に、金曜の夜のことを思い出して、顔が真っ赤になるのを感じた。
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