1章:最悪な再会とあの日の続き

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「どうぞ、座って」  部長らしき人が言う。「僕はホウオウ総務部長の木村と言います。君はたしか継続雇用希望だったね。これまでの仕事内容も見たよ。着実に仕事している姿勢が今の上司からも評価されていると聞いてる。僕としてもそう言う部下が欲しいんだ。多分総務部にきてもらうことになる。よろしくね」 と優しい声で言った。優しそうな人でほっと一安心するはず……だったのだが、残念ながら先ほどから私の頭は完全にフリーズしている。 「あ、あの……」 「健人の知り合いなら間違いないね。よろしく、柊みゆさん」  そう言って副社長まで笑う。健人って、羽柴先輩の下の名前……。  完全に固まる私をよそに、私の雇用継続はどうやら無事に決定したらしい。
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