7章:誓言

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 泣きそうになっていると、先輩はぐいっと私の腕をつかんで、自分に引き寄せ抱きしめた。  驚いて身体を離そうとしたけど、まったく離してくれない。  数分後、先輩がやっと腕を緩めてくれて、身体を離そうとすると、  それをゆるさないというように、私の顎に手をかけ、自分の方を向かせる。  そしてまっすぐ私の目を捉えると、 「もうああいう関係になった以上、返品不可だよ。俺はみゆを離さない、離す気もない。みゆのこと一生愛するから。だから、俺の愛を正面からきちんと受け取って」  有無を言わさない声。  その声に、目に、もう十分すぎるほど、ヒシヒシと先輩の愛は伝わってくる。  私は、身体を重ねたら何か変わると思った。  確かに。確かに変わったけど……。  これはちょっと私が思っていた方向とは違った。
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