1章:最悪な再会とあの日の続き

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(辞めるって言うなら……さっきだった……)  私は部屋を出た瞬間、その場に崩れ落ちた。 いざと言うときの自分の機転のきかなさに泣けてくる。あとでいろいろ反省しても、いざその場に立つとすぐにその判断がうまくできないのだ。  しかし、どれもこれも、羽柴先輩が悪い。 なんでこんなとこにいるのよ……。 って、羽柴先輩が顧問弁護士ってことだよね。でも顧問弁護士なんて、普通はあまり社員と関係ないよね……?  一縷の望みをそんなことに託しながら私はとぼとぼとエレベータまで向かった。  それに辞めるって言うこと自体は、いつでもできるはずだ。  そんなことを思いながら、やってきたエレベータに乗りこみ、1階のボタンを押す。次の瞬間、スーツの男性がエレベータに強引に乗り込んできた。  それが羽柴先輩だと気づくと、私の息は止まり、身体は固まった。そして寒くもないのに、身体はがたがたと震えた。
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