8章:交際スタート

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 私は意を決して、先輩の背広の背中を掴んで、先輩を見上げる。 「お願い……。いっかいだけ、にして?」 「みゆからそんな言葉聞けるの、くるな……」  くるって、何? と泣きそうになると先輩はクスリと笑う。  そしてまたキスをすると私を抱き上げた。 「なら、濃い一回にしないとね」 「濃くしなくていいですってば!」 「うん、分かってる」 「その顔、絶対わかってない!」  私が腕の中で暴れても、先輩は楽しそうに笑う。  でもその顔をみて、私はもう一度キスをしたくなって、先輩の首に自分の腕を回した。すると、先輩は嬉しそうに笑って、うん、みゆの言いたいことはわかってるよ、と私の唇に甘い甘いキスを落としてくれた。
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