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私は意を決して、先輩の背広の背中を掴んで、先輩を見上げる。
「お願い……。いっかいだけ、にして?」
「みゆからそんな言葉聞けるの、くるな……」
くるって、何? と泣きそうになると先輩はクスリと笑う。
そしてまたキスをすると私を抱き上げた。
「なら、濃い一回にしないとね」
「濃くしなくていいですってば!」
「うん、分かってる」
「その顔、絶対わかってない!」
私が腕の中で暴れても、先輩は楽しそうに笑う。
でもその顔をみて、私はもう一度キスをしたくなって、先輩の首に自分の腕を回した。すると、先輩は嬉しそうに笑って、うん、みゆの言いたいことはわかってるよ、と私の唇に甘い甘いキスを落としてくれた。
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