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「みゆ、だよね」
後ろから、羽柴先輩の低い声が耳に届く。
「……いえ、チガイマス」
そう言ってみたけど、先ほどフルネームで面談した。何なら履歴書も出していたのを先輩は見ていた。言い訳にしては苦しい。
「みゆ? 弁護士相手に嘘はいけないな」
羽柴先輩が笑いながら、後ろから私を抱きすくめる。
ひ、と、私の息は確実に止まった。
(なんで、どうして、いまさらこんなこと……!)
私は完全にパニック状態だ。
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