1章:最悪な再会とあの日の続き

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「ちょ、離してください……!」 「離すわけないよ。みゆも俺に会いたかったからホウオウに残ったってこと?」 「違います。超絶見当はずれです。そもそも先輩が顧問弁護士だなんて知らなかった! 知ってたら……!」 「知ってたら、どうしてた?」  羽柴先輩の声が何オクターブも下がった気がした。 背中に悪寒が走って、私は思わず振り返って羽柴先輩の顔を見る。  羽柴先輩の目は、あの時の……そんな目で、私は思わず目をそらした。  なのに、羽柴先輩は私の顎を捉えると、自分の方に無理矢理向かせる。そして、私の耳元に唇を近づけた。羽柴先輩の熱い息が耳にかかって、身体ごと熱くなる。  だめだ、これ。あの時と、同じ。
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