10章:変化

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「そうだ、ちょっといい?」  私がはい、と頷くと、 「私、先に戻るわね。副社長、失礼します」 と、宮坂さんは、そのまま先にエレベータに乗っていってしまう。  副社長は副社長で、隣にいた秘書の女性に何か告げると、その秘書もいなくなった。 「ごめんね5分だけちょうだい。きみと話してみたかったんだ」  そう言って柔らかい笑顔で笑う。  先輩も言っていたし、面接のときも思ったけど、この副社長、本当にいい人っぽいなぁ。副社長は食堂横のスペースの椅子に私を誘導し座らせ、自分も横に座った。
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