10章:変化

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 そう思ったとき、副社長は一枚の名刺に携帯の番号を手書きで書き加え、 「これ、僕の携帯の番号。もし、健人に相談しにくいこととか、会社のことや父のことで困ったことがあったら、ここに連絡して?」 と言って私に渡した。 「……は、はい?」  断るわけにもいかず、それを戸惑いながら受け取る。  副社長はそのまま、じゃぁまた来週の土曜に! と言うと、行ってしまった。  よくわからなかったけど、副社長は話しやすい人だと思った。そしてふと、動物に好かれて、動物たちが副社長についてきてるところを想像して笑ってしまった。  確かに、あの副社長なら本当にありそうだ。
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