10章:変化

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 文句を言おうと先輩を見ると、先輩は私の耳元に唇をよせて、 「言ったよね。俺は、みゆのことは絶対に離さない。それでも、もし、みゆが俺から離れようとするなら、みゆの意見なんて全部無視して、結婚も、子どもも、こっちのペースで無理やり進めるよ」 とはっきりと低い声で告げた。どきりと心臓の音が鳴る。 (先輩、なんか怒ってる……?) 「何言って……」 「自分でも分かってる。みゆのことになると、俺はまた周りとか、そういうの全部どうでもよくなっちゃうんだよ」  その声に泣きそうになった。そんなこと言われても困る。  固まっていると、先輩はそのまま私を抱きしめる。そして耳元で笑った。
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