11章:もしかして先輩の愛は重いのかもしれない

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 先輩は息を吐くと、自分の額を私の額につける。 「みゆ、ちゃんと言って。俺のこと、嫌になった?」  その言葉に思わず首を横に振った。  このキスで? それはない。  私の気持ちなんてお構いなしの状況でキスされて、すごく嫌なのに、先輩のこと嫌いにはなっていない。むしろちょっと安心していた。  それが自分でも信じられなかった。 「ち、違……ちがいます!」 「だったらどうして今日そんなに俺のこと避けるの。言わないとこのまま辞めない。このままここで最後までする」  そう言われて足を撫でられ、背中すべてが凍っていく感覚がする。  先輩なら本当にしかねないと思って、さすがにそれは絶対無理だとまた泣きそうになって顔をくしゃくしゃにする。先輩はそんな私を見て、次は優しく口づけた。
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