11章:もしかして先輩の愛は重いのかもしれない

3/16
前へ
/302ページ
次へ
 酷いくせに時々急に甘くなるところは大嫌いだ。でも、そうされているとやけに頭がクリアになってきた。  先輩を避けたのは、聞きたくなかったからだ。  昨日遅くなった理由。先輩と春野さんのこと……。だから朝も先輩を避けようとした。ただそれだけだ。  目の前の先輩を見ると、先輩は私の目を無言でじっと見つめていた。この男はそれも全部言わないと絶対許してくれない。そんな気がした。  私は唇を噛むと、 「……き、昨日!」 と叫んで先輩を見る。先輩は、昨日が? なに? と私に問うた。 「は、……春野さんと何してて遅くなったの?」
/302ページ

最初のコメントを投稿しよう!

899人が本棚に入れています
本棚に追加