1章:最悪な再会とあの日の続き

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「あの時のことは悪いと思ってる、ってことでいいの?」 「もちろんです」 「ふうん。じゃ、どう償ってもらおうかな」  先輩は目の前で楽しそうに笑う。先ほどから羽柴先輩は心底楽しそうだ。その声を聞いていると、お腹の底からふつふつと怒りがわいてきた。 (なにがおかしいの! なに笑ってんのよ……!)  攻撃的な気持ちになって私が羽柴先輩を睨むように見ると、先輩はそんな私を見て、またクスリと笑う。 「やっとこっち見たね。あの時も、その目を好きになったんだよ」 「……」 「先に言っておくけど、これは脅しではない。みゆがみゆの意思で決めることだから」 「どういう……」 「みゆが本当に悪いと思ってるなら、みゆから俺にキスして。あの時の続きだ」  は? と言葉が出かける。でも、目の前の先輩の様子は冗談でもなんでもない顔をして、私を挑発するような目で見ていた。  あ、これだめだ。私の攻撃的な本能が止められない。私の足に力が入るのをみて、先輩は楽しそうに笑った。 「ねぇ、み……」  ゆ、と先輩が言うより先、私は一歩前に出ると、先輩のネクタイを引っ張って、先輩に口づけた。キスなんて、ただ唇を合わせるだけだ。  もう金輪際関わりたくないから、この人のお望み通りキスするのだ。
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