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私が慌てて車を出ようとすると、
「みゆ。今日の帰り迎えにいく。今週は日曜まで、俺にみゆの時間を頂戴」
と先輩が言った。
「日曜までって……」
それはつまり、日曜まで一緒ってことですか?
胸が痛いほど大きく高鳴る。でも、嬉しいって思ってる自分もいるような、いないような。
そんなことを思ったとき、先輩はクスリと笑って、
「みゆが疑う余地もないくらい、分からせてあげたくなっちゃった。俺はみゆしか見てないし、みゆだけをずっと独占してたいってこと、分かるまでいくらでも付き合うよ」
とはっきりと言ったのだった。
その内容に大きな不安も感じつつ、返事ができないでいると、先輩は私の髪をなで、
「じゃ、みゆ、いってらっしゃい」
と頬に当たり前のようにキスをする。
やっと開けられるようになった車のドアを開け、私は車外に出ると、振り返ることもせずにダッシュで会社に走っていた。
―――ちょっと待って! 私また何か、間違った気がする……!
どこで間違った? 何を間違ったの……⁉
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