11章:もしかして先輩の愛は重いのかもしれない

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―――みゆが疑う余地もないくらい、分からせてあげたくなっちゃった。  あの意味を今、身をもって知って、ゾクリと身体が冷える。  怖い。羽柴先輩、怖い。私は、今、もうまったく、先輩が誰かとこういう事になるとか疑っていないし、すっかり毒気を抜かれた気分だった。  そして思った。私は普通のお付き合いがしたい。  ってそもそも普通のお付き合いもしたことないけど、少なくとも、金曜の夜に会ってそのまま先輩の家のベッドの上に連れ込まれて、日曜の朝まで、水分と軽い食事以外ずっとそういう事をしているのは、発情期の猫にだってなかなかないだろう。  お願いだから、1週間に1度、一晩で2回まで、とか回数制限をしてくれないか。最悪一週間に2回でもいい。その場合一晩で1回でお願いしたい。 いや違う。本音を言えば、1か月で1度、1回まででいい!  それを頼むのは恥ずかしいけど、でも言わないとたぶんいつか私はこんな訳の分からない恥ずかしい理由で死ぬことになる……。私はなんだか先輩が憎らしくなって先輩の顔を睨んだ。  なのに先輩は嬉しそうな顔で目を細めると、私の髪を愛おしそうに撫で、 「ちょっとは慣れてきた?」 と聞いたのだった。 「は⁉ な、慣れるはずないでしょう!」 「そう? じゃ、もっとして慣れないとねぇ」  そのとんでもない内容に、ひ、と思わず声が出る。 「そう言う意味じゃない!」  もう泣きながら枯れた声で叫ぶと、先輩は困ったように笑って、 「ごめんって。からかっただけ」 とふざけたことを言う。  その内容は冗談には思えない。すでに身体が冗談とは認識できていないので、即刻やめていただきたい。
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