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私は泣きながら、
「謝るくらいなら最初から言わないでください!」
と言うと、シーツを身体に巻き付け、もうやだ。帰る、と叫んだ。
「うん、分かってる。夕方送るからね」
「やだ。今すぐ! 寝たいもん。ゆっくりしたいもん!」
「ここでゆっくりすればいいじゃん」
「落ち着かない! 先輩ヘンなことばっかするし!」
「ヘンじゃないでしょ。みゆの全部愛したいだけで」
「あぁ! もう! ああいえばこう言う!」
(もう一体何なんだ!)
なのに完全に怒り心頭の私を先輩は大事そうに抱きしめる。
そして腕の力を強めると、
「みゆ、わかった? 俺がみゆのことだけ愛してるってこと」
と耳元で聞いた。その低くて熱っぽい声に反応して、いちいち身体が熱くなる。
なにこれ、パブロフの犬か。怖い。羽柴先輩怖い。
「わ、分かりたくないけど、わかりました!」
「うん、いいこだね」
そう言って頭を撫でられる。その手のぬくもりに一瞬絆されそうになった。
ナニコレ、子ども扱い? むっとして見上げると、また楽しそうに笑われる。
いちいち、そんなに嬉しそうにしないでよ。
許してしまいそうになる。
いや、でも、絶対に許してはいけない。これ流されてこのままこんなことが続いたら確実に死亡案件だ。
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