11章:もしかして先輩の愛は重いのかもしれない

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 先輩はベッドサイドのペットボトルの水を私に渡すと、 「次の土曜は、一樹がメシいこうって言ってたよね」 と言う。  私はそれをごくりと喉に流し込む。水が枯れた喉に心地よい。  そして口を開いた。 「はい。時間とか場所は?」 「うん、また俺から連絡する」  そして先輩は何かを思い出したように眉を下げて、 「それで、残念な話しなんだけど……明日から土曜まで俺が出張でさ、みゆに会えないんだよね……」 と心底寂しそうに言ったのだった。  でも、私は、えぇ! と言って、思わず目を輝かせそうになった。  だって、この一週間、考えてみたら酷かった。先週の金曜から何度も先輩に会ったのも良くなかった。そのたびに何度も抱かれて、私の身体はもう限界だ。足もがくがくだし、正常な判断力もどんどん鈍っていく。  だからこそ、先輩の出張報告に内心かなり喜んでしまった。これは、私のせいではない。
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