13章:不安と喧嘩と仲直り

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 せめてだれかが大反対してくれたらちょっとはこの勢いが止まれるかもしれないのに……。でも、それは誰もしてくれない。うちの父ですら、まったくだめだ。  なんだか、急ピッチで周りを固められていき、結婚を推し進められていくようで……私は不安になってきていた。  みんなが祝福していて、あとは私が頷くだけなんて……。 なんでこうも舞台がきっちりと用意されているのだろう……。  と思っても、その原因はどう考えても、私なんかに固執する先輩のせいなんだろうけど……。  次の日の夜、先輩が戻ってきて会える日だったけど、私はなんとも複雑な気持ちだった。  先輩と顔を合わせて、自分がどう思うか、想像もできなかった。
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