13章:不安と喧嘩と仲直り

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 そんなに素直に謝られると、言葉に詰まる。  さっきのケンカは、私が吹っ掛けたようなものなのに……。  後悔して泣きそうな私に、 「今、俺たち、『普通』にケンカしてたよね」 と先輩は楽しそうに笑って言って、余計に私は泣きそうになった。  肩を持たれ、少し離され、先輩は私の目をまっすぐ見る。 「ごめんね。みゆ、お願い。もう『普通』に仲直りさせて?」
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