14章:同棲スタート?

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 結局ゆっくり二人で過ごして、いつの間にか夕方になっていた。  日曜の夕方。明日も仕事だし帰らなきゃいけない。時間の経過って速いんだなぁって思って、それはきっと先輩といるからだろう、と素直に心の中で認めていた。  すると先輩も同じように考えていたのか、 「時間すぎるの速いね。でも、帰さなきゃだよね」 とつぶやいた。  私はそれを聞いて自分の手を握る。 「みゆ?」 「まだ一緒にいられたらいいのに」 「そんなの……」  先輩が何か言いかけて、やめた。  なんとなく、『結婚すればいいだけの話』と言いたかったんじゃないかと思って、それを言えなくさせたのは自分だと、心が痛んだ。  私は、先輩に甘えてるのかな。  いつだって、私のペースも、私の気持ちも、大事にしてくれる先輩に……。
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