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先輩が車で家まで送ってくれると、家には電気がついていた。
「お父さんに挨拶してくよ」
と先輩は車を停めて、一緒に玄関まで歩いてくる。
「ただいまー」
私が言うと、父が慌てた様子で、玄関先まで走ってきた。
「みゆ! ちょうどよかった!」
見てみると、なんだかいつもの父と違った。
いつも緩い雰囲気で優しい父の様子と……。私の胸は不安で陰る。
「ごめん、困ったことになっちゃって」
「困ったことって?」
「……みゆ、落ち着いて聞いてくれる?」
「あ、うん……」
先輩は、外しましょうか? と父に聞く。
私が思わず先輩の服を握ると、父は微笑み、羽柴先生も一緒に、と言った。
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