14章:同棲スタート?

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 そんな私の横で二人は話を続ける。 「すまないね、羽柴先生」 「むしろ俺としてはラッキーと言うか」 「はは」 「柊刑事は大丈夫ですか」 「それはさすがにね」  私は自分の手を握って、父の顔を見た。 「お父さん、教えて」 「え?」 「お父さん、本当に生活安全課なの? なんで私は一人でいないほうがいいの」 「……」  私の言葉に、父が困惑したのがよくわかった。  それもそのはずだ。  私は父の仕事のことも、自分から聞いていったりしたことないから。  もし父の仕事が危険なもので、それに巻き込まれて父までいなくなったらと思うと怖くて、私は聞くこともできなかったんだ。  でも……。 「私、大丈夫だから。教えて」 「そんなこと初めて言ったね」  父は目を細める。そして頷いた。
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