2章:平穏でない日々と告白

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 その日、夕方になるころには私は疲れ切っていた。 (なんで羽柴先輩のことで私がこんなにドキドキしなきゃいけないのよ……)  心の中で悪態をついて、 お手洗いに行くために廊下を歩いていると、 「みゆ」 という、明らかに聞き覚えてのある声が聞こえて、思わず振り返る。  そこにいたのは羽柴先輩。羽柴先輩は目を細めてこちらを見ている。私の胸は突然の出来事に極限まで大きく鳴りだした。 「せんぱ……羽柴先生」 「なに、それ。すごく他人行儀な呼び方だね」 「他人ですけど!」  っていうか、もともと先輩としか呼んだことはない。どちらが他人行儀かなんて比べてもわからない。思わず叫んで、周りを見渡すと、素早く近くにあった給湯室に先輩を押し込んだ。
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