16章:俺と彼女と彼女の父親(side羽柴)

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「今はさすがに……みゆも怖がってるし、きっとみゆ自身に罪悪感もある。だからここに顔も出せないんだと思う」 「はい。当たり前です……俺はそれだけのことを彼女にしようとしたんですから」  俺は頷いた。そんな俺にまっすぐみゆの父親は問う。 「そんなことをしようとしたのは、君がみゆに少なからず好意を抱いていたからだろう? ああやって毎日送ってきてくれて、タイミングなんていくらでもあっただろうに」 「……」  好意はもちろんあった。 彼女といると彼女をもっと知りたいと思ったのは確かだ。縮まらない距離に焦っていたのかもしれない。本心から頷いていた。 「好きです」  その時になって急に気付かされた。  入院してからずっと、いや、それより前からかもしれないけど、みゆのことばかり考えているのだ。  考えてみれば、あの時までも自分はちょっとおかしかった。みゆのことが、好きすぎたのかもしれない。
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