17章:注がれる愛が重すぎる

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17章:注がれる愛が重すぎる

 髪を優しく撫でる感覚がして、夜のまどろみの中、目を開ける。  すると、先輩が愛おしそうな目で私を見ていた。 「ん……私、寝てました?」 「うん、少しね」 「先輩は……寝てなかったんですか? ちゃんと寝ないと……」  続けようとした瞬間、唇が合わさる。 「……んんっ!」    そのまま何度もキスをされて、するりと舌が入り込むと、全部を奪うように口の中を舐めつくされた。起きがけにそんなことをされると、熱に浮かされて、頭がおかしくなりそうになる。  慌てて先輩の胸を押しても、先輩はやめてくれなくて、そのまま唇を首すじに落とした。 「ちょ、待って! 待って! もう散々しましたよね⁉ 覚えてないんですか⁉」  まさか、とは思うもののそんなことを聞いてみる。  先輩はクスリと笑うと、 「うん、ちゃんと覚えてる。みゆとしたことは全部覚えてるよ。みゆの身体のことも全部」 「それはそれで……いやぁ!」  泣きそうになった、いや、泣いた私の涙を舐めとって、先輩は楽しそうに笑う。
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