17章:注がれる愛が重すぎる

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「みゆ、眠る前に『ずっと一緒にいたい』って言ったの覚えてる?」  そう言われて私は混乱した。  やっぱあれは夢じゃなくて、本当に言ってたんだ……。先輩、どう思ったんだろう。そんなことが気になった。するとその考えに返事をするように、 「みゆがそう言ってくれて、俺はすごく嬉しかったんだ」 「先輩……」  目が合うと、また二人笑う。今、すごく心が温かい気がする……。  すると先輩は、私を抱きしめ、 「だからね、もう一度愛させて」 と耳元でささやいた。 「もう一度って!」 (先輩が嬉しく思ってくれたのは良かったけど、ぜったい一度ですまないパターンのやつ!) 「いや、そもそも『だから』って話繋がってました⁉ ……きゃぅっ!」  混乱する私を知ってか知らずか、次は耳に唇を這わされ、勝手に体が熱くなる。  あれだけ先輩に愛されきった身体は、先輩のキスだけで反応するようになっていた。 その事実に気づいて、恥ずかしさに目を瞑る。なのに先輩は、 「みゆ、ちゃんと目を開けて俺を見て」  激しいキスの嵐の合間、私の頬を撫でた。  その暖かな感触に思わず目を開けると、先輩はまっすぐ私を見ている。 「みゆ愛してる。俺もみゆとずっと一緒にいたい」  その言葉に、先輩のまっすぐな瞳に、胸がドキドキと極限まで鳴り響く。 (どうしよう。目の前の人が愛しくて、苦しい)  また唇が合わさる。肌に触れる先輩の熱を持つ手に、余計に反応した。 ―――私だってまた抱き合いたい、もっと近くで先輩を感じたいんだ。  そんなことを思いだした私に、先輩はまだ足りないと言うように、何度も先輩の身体を覚えさせて…… 「みゆ、愛してる」  夜の合間、何度もささやかれる先輩の声が、自分に溶け込んでいく感覚がした。
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