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すると、先輩は私の前に来ると、真剣な顔で、小さな箱を私に差し出した。
そしてそれを開けると、
「みゆ。俺と結婚してほしい」
とはっきり告げる。
中には見たことのある指輪が光っていた。
―――これ、最初に先輩が渡してきた指輪。
私、今、これを『重い』だなんて思ってない。
「……っ」
それを見ていると、勝手に涙があふれてくる。この指輪で、嬉しくて泣くなんて考えてもなかった。
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