17章:注がれる愛が重すぎる

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「どうしよう。嬉しすぎてどうしていいのか困ってる」 「はい」  ふふ、と思わず笑みがこぼれる。 「ヘリの上から叫びたいくらい」 「とりあえず、それはやめときましょう」 「いっそヘリ買おうか。実はヘリの免許も持ってるし」 「それ絶対いらないやつです」 「でも新婚旅行でも使うかもしれないし」 「普通に飛行機で行けばいいのでは」  ヘリを買おうとか内容はかわいくないけど、こういう素直に喜ぶところは先輩なのにかわいいと思うのだから相当やられている。  目が合うと、自然に唇を合わせた。私たちは再会してから、どれくらいキスをしているのだろう。もう100回以上はしているだろう。そのたびに好きになってくんだ。  そんなことを考えた私を、先輩はまた抱きしめる。 「もしプロポーズ断られたらここに閉じ込めて、みゆがいいって言うまで、身も心も全部落とそうとか思ってた自分が情けないよ」 「ちょっとまて!」  瞬間、ひっ、と身体が冷えた気がした。「何、恐ろしげなこと言い出したんですか……!」 (お願いだからそれは黙っていてほしかった!)
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