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先輩は家に帰るなり、私の額に当たり前のようにキスを落とす。
それに私もくすぐったくて笑ってしまった。
「これからずっと一緒にいられるね」
「そうですね」
ふふ、と笑うと、先輩も楽しそうに笑ってくれる。
やっぱりその笑顔好きだなぁと思ったとき。
「最初から5日間ずっと一緒にいられるしねぇ」
と先輩は言った。
「5日……?」
「今日からGW、5連休」
「……ソウイエバソウダッタ」
すっかり忘れていたけど、世間はGWだ。
私はなんとなく嫌な予感がして、
「えーっと、いったん帰って。GW明けに結婚生活はじめませんか?」
と言うと、先輩は不機嫌そうに眉を寄せて、
「まさか」
と言い放った。
「うっ……」
「俺が、こんなチャンスに引く男だと思う?」
「お、思いません……」
泣きそうになった私に、
「そういえばみゆ、俺の愛が重くても諦めるって言ってくれたんだよね」
と先輩は微笑んだ。
それはまるで悪魔のような笑みで、私は背中からゾワゾワと寒気が走っていた。
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