17章:注がれる愛が重すぎる

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 すると先輩は、言おうか悩んでたんだけど、と呟き、心底申し訳なさそうに、 「実は俺ね、性欲がめっぽう強いほうみたいなんだ」 と言った。 (セイヨクガメッポウツヨイ……?) 「……もうその先は聞きたくないんですけど」 「みゆにしか反応しないのに、みゆは大変だろうと思って、これまではできる限り抑えてきてたんだよ」 「抑えてた⁉ あれで⁉」 えっと、ちょっと待って。整理させて。それに驚いたわ! たしか、私、先輩のせいで3日ほとんど眠れなかったことがあるはず。 「でもね、もう結婚したし、ちゃんと知ってもらおうと思って」 「……ちゃんとって……」 「みゆ言ってくれたよね? 俺とずっと一緒にいたいって」 「そう言う意味ではないんですけど」 「大丈夫。みゆのことも、子どものことも、一生大事にするから」 「……子どもって……! んんんんっ!」  当たり前みたいに、ベッドに押し倒されて、口の中に先輩の舌が入り込む。顔が熱くなって泣きそうになって、息が苦しくなってもやめてくれない先輩に怒って胸を押しても、その手を取られてベッドに縫い付けられて、形勢は悪くなる一方だった。  そのまま歯列も口内も全部舐めとり、唇を離してあふれる唾液をも舐めとったあと、先輩は息を漏らす。 「やっぱりみゆの中、気持ちいい……」 (言い方――――――――!)  泣きそうになる私をみて妖艶に笑った先輩は、確かにそれまで以上に濃密でやたらねちっこい5日間を私にプレゼントしたのだった。  愛してる、と何度もささやいて注がれる先輩の愛は重すぎて……  私は結婚初日からこの結婚を後悔し始めていた。
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