最終章:やっぱり先輩の愛はいろいろと重すぎる

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最終章:やっぱり先輩の愛はいろいろと重すぎる

 あれから思い出したくもないような5日間を過ごして、次の休みにはもともと予定されていたかのように親同士の顔合わせも済んだ。  私の父と先輩のお父さんはなぜか顔見知りのように仲が良くて、非常に不思議だったけど、二人ともこの結婚を喜んでくれてほっとした。  職場にもドキドキして結婚の報告をしたのだけど、『いつ結婚するのかなと思ってた』とさらりと部長に言われ、さらには、他の女子社員からも当たり前のように祝福されて唖然とした。  私は『バレたらどうしよう』だとか色々考えて動けなかったのに、結局蓋を開けてみれば、周りは全員、私が思っているよりずいぶん大人で、私だけが成長してなかったんだなぁとそんなことを思った。  そして新居は先輩の家。でも実家も改装して、いつでも帰りやすいようにしよう、と先輩が言ってくれて、セキュリティの強化された改装が実家に施された。  さすがにお金がもったいないんじゃない、と言ったら、そのために大きな案件取ったから、と言われて、あとでこっそり新田先生に聞いたところ、今まで忙しくて断っていた大手通信会社の法律顧問を受けたらしい。契約金は驚くような金額だった。  私は今までてっきり先輩は実家のお金を使って色々としていると思っていたのに、その全部が自分で稼いだものだったらしい。私はその事実に耳を疑った。  そしてさらに、『あの人何億つまれようとも受けなかったのに、みゆさんのためとなれば軽く受けるんですよね。ホントあの人の愛って狂気ですよねぇ~』と新田先生はいとも当たり前のように言ったのだ。 (改めて私、とんでもない人と結婚したんじゃない……?)
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