最終章:やっぱり先輩の愛はいろいろと重すぎる

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「そういえば性別分かったんでしょ? どっちだった?」  一樹さんが言う。 「女の子です」 「それはかわいいだろうね」  一樹さんは目を細める。すると先輩も、 「絶対かわいいだろうな。……でも心配だ」 とつぶやいた。「変な男に目をつけられたりしないか心配」 「それを先輩が言います?」  私は思わず眉を寄せた。 「俺がみゆのこと好きすぎて変なのは自覚してる」 「それを堂々と言わないでください!」 「みゆだけだって心配なのに、子どもも心配。やっぱりもっとSP増やさないといけないかなぁ」  私はそれを聞いて思わず泣きそうになる。  あの事件の解決後、やっとSPの人数を減らしてもらえたのだけど、3人はなぜかそのまま残り、今も外出するときはずっと3人のSPが近くにいる。おかげで近所の住人にまで、『皇族が近くに住んでいるっぽい』とまことしやかに囁かれているのだ。  先輩に文句を言ったら、『もしみゆに何かあったら、俺、その相手を絶対どうにかしちゃうよ。それでもいいの?』と強い言葉で押し切られ、そのまま保留になっている次第だ。
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