最終章:やっぱり先輩の愛はいろいろと重すぎる

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 そんな私たちを見て、一樹さんが楽しそうに笑う。 「相変わらず仲良しだよね」 (そういえば一樹さんがいた!)  そう思ってやけに恥ずかしくなった。 「……そ、そうですかね?」  仲いいとは言っても、さっき大事なことは聞こえないフリされましたけど……。  眉を寄せる私を、先輩はもう一度ぎゅう、と抱きしめなおすと、 「仲いいの、あたりまえでしょ。俺はみゆにしか反応しないし、みゆしか愛せないんだから」 と私の髪に当たり前のようにキスを落としながら言う。 (お願いだから、恥ずかしげもなく、そんなことを人前で言って、そんなことしないでくれーーーーーー!)  私が泣きそうな顔になると、一樹さんも、先輩も、楽しそうに笑った。 ―――なんなんだこのいじめっ子兄弟……!  しかしそんな二人にも慣れつつある自分が恐ろしい……。やっぱり人は慣れる生き物らしい。
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