最終章:やっぱり先輩の愛はいろいろと重すぎる

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 私は思わず先輩に自分からキスをしていた。  先輩は少し驚いた顔をした後、次は先輩からもう一度キスをしてくる。  離れるのが惜しいように何度もキスをしたあと、唇が離れる。その時、先輩はふと思い出したように、 「あと、これからの時期、どうやって愛し合えばいいのかもよく聞いておいたからね」 と笑った。 「……はい?」 「ほら、時間とか、深さとか」  それを聞いた瞬間、私の顔が真っ青になって、それから真っ赤になるのが自分でもわかった。 「ふ、ふ、ふざけんなーーーー!」 「え、なんで? どうしたの?」 「産婦人科の先生、また来月も顔合わせるのに……! 恥ずかしくてもう検診に行けない!」  そんなこと聞く人いるの⁉  いや、いたとしても私は聞きたくなかった……! 「恥ずかしがらなくてもいいでしょ。そういうことしたから子どももいるわけだし」 「それでも……!」  泣きそう。いや、もう泣いてる……。 (お願いだから、もう少しデリカシーをください……!)
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