番外編:子どもができても先輩の愛はいろいろと重すぎる

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「みゆ、おはよう」  目を開けると、目の前に先輩……じゃなかった、健人さんの顔があった。  結婚して何年たっても、なぜか朝から超絶甘い顔で私の顔を見ているのは変わらない。  そのまま、唇が重なって、当たり前に朝のキスをされた。 「ちょ、もうやめてくださいって!」 「なんで」 「あかりが起きます」  私の心配事は、隣の子ども用のベッドで寝ているあかりだ。  親として、そう何度もキスシーンを見せるわけにはいかない……そう思ったのに。 「あかりならもう起きてるけど?」  そう言われて、あかりの方をみると、あかりは嬉しそうにこちらを見つめていた。 (ま、また見られた……!) 「またママにキスしてるー!」 「うん。みゆのこと、大好きだからね。だからキスするの」 「だから、もうやめてくださいって!」  教育上どうなのだろう。  舌を入れてこないだけマシだろうが、子どもの前でこんなことされれば、どう対応していいのかわからない。  そんな私を尻目に、健人さんもあかりも、当たり前のようにそれを日常としているのだ。 「あかりのことは?」 「あかりももちろん大好きだよ」  そう言って、健人さんは、あかりの額に口づけた。あかりは、額を触って、ふふ、と笑う。  ちょっと嫉妬しちゃうほど、この二人は仲がいい。それは健人さんが惜しみない愛情をあかりに注いでいるからだろうけど。
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