3章:重過ぎるプレゼントと二度目のキス

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「すみません、私ちょっと酔いすぎたみたいで……! もう帰ります!」 「え、大丈夫?」  部長が言う。 「心配だし、送るよ」  続いて、先輩がそんなことを言い出す。私は全力で首を横に振った。 「いえ! 結構です! 宮坂さん、すみません。後は頼んでしまって大丈夫ですか? 会費は……」 「歓迎会なんだからもちろん必要ないわ。すぐにタクシー呼ぶわね」  宮坂さんは今までにないくらいご機嫌でそう返事してくれた。 (良かった……)  たぶん宮坂さんは、先輩と一緒にいられる確率が増えることに喜んでいるのだろう。もしかしたらこれから二人で夜の街に繰り出すかもしれない。さらにもしかしたら、キスとか、それ以上とか、するかもしれない……。そう思って一度足を止めたが、私は首を振る。  どちらにしたって私には関係のないことだ。  そしてそのまま、宮坂さんの呼んでくれたタクシーにすぐさま乗り込み、まっすぐ帰宅したのだった。
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