3章:重過ぎるプレゼントと二度目のキス

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 家に帰ってみると、父は、今日は泊まり勤務で誰もいなかった。家は真っ暗だ。  家に入って電気をつけると、古い床だけが、ぎい、と私を出迎えた。  はぁ、と小さくため息をつき、私は先ほどのことを反芻していた。  今頃二人はどうしているだろう。どうもこうも、すきなようにやればいいけど……。  私には関係ないんだから……。  それにしても先輩、なんであんなとこで、手なんて繋いだのよ……。  奇妙な告白も相まって、手のぬくもりを思い出すと、私の心臓は限界まで脈打っていた。そのせいで間違いなく変な気分になってくる。  私はぼんやりとつながれていた手を見る。  そしてそれを二度見した。 (おい、これ、なんだーーーーーーー⁉)
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