3章:重過ぎるプレゼントと二度目のキス

8/15
前へ
/302ページ
次へ
「なんで指輪なんですかっ! しかも、これ、ダイヤじゃないですか……!」  そう、私の左手の薬指には、いつの間にやら(きっとあの手を握られた時だが)、指輪がはめられていたのだ。しかも、明らかに100万の枠には入らなさそうな大きさのダイヤの……。 「って、ほんと、これなんですか! 勝手に、了解もなしに、左手の薬指にこんなものはめないでください!」 「予約しておきたくて」 「こんな予約の仕方あるかーーーー!」  室内に入っていてよかったと思うくらい、私は叫んだ。  たぶん、玄関の中にいても外に聞こえているだろう。でも、仕方ない。今はそれどころではない。  それもこれも全部、意味の分からない行動をする先輩のせいだ。
/302ページ

最初のコメントを投稿しよう!

903人が本棚に入れています
本棚に追加