3章:重過ぎるプレゼントと二度目のキス

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「って違う! ここここここれ一体いくらするんですか!」 「スタンダードに、給料三か月分くらいかなぁ」 「先輩の給料の3か月って想像もしたくないんですけど!」  間違いなく私の給料一年分以上だ。  こわい。給料三か月分、怖い。こんな怖い給料三か月分があってたまるか!  思わず指輪を持つ手が震える。物理的にも心理的にも重い。 「大丈夫だよ、心配しなくても」 「いや、こんなの、ほんと重いですから! いりません! 返品してください!」 「いいじゃない。もらっちゃいなよ、気軽に」  気軽にもらっちゃいなよ、とか、なに言ってるの⁉ この先輩! 「ウン百万以上する代物、気軽にもらえませんよ!」  ふふ、と笑って先輩が指輪を自分の手に取ってくれる。  良かった。返品に応じてくれた……。
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