3章:重過ぎるプレゼントと二度目のキス

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「はぁ⁉ ななななにいって……! だめに決まってるでしょう⁉」 「この前のキス、俺は何度も思い出してたよ。思い出しただけでたまらなかった」  先輩の笑う息が耳にかかる。私はその瞬間、あのキスを思い出す。  全部奪うような、そんなキスだった。 「みゆの中、気持ちよかった」 (言い方―――――――!)  私が真っ赤になっていると、先輩は続ける。 「あのエレベータで強引にキスしてくれた日、やっぱりみゆしかいないって確信した。だからもうみゆと結婚するしかないって思って指輪を買ったんだ」 「勝手に確信して、こんなもの勝手に買わないでください! ……ひゃっ!」  羽柴先輩の手が私の頬に触れそうになった瞬間止まって、突然私の唇をなぞる。驚いて固まっていると、 「ねぇ、みゆ。お願い。俺の愛を受け取ってくれないかな」
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