4章:あの事件ととんでもない告白

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「ほんと、みゆ、すごいよ」 「でも先輩のように勉強はできないですよ」  つっけんどんに返すと、先輩は笑った。  いつも私が不機嫌な声を出すたび、先輩はこうやって笑うのだ。 「勉強、教えてあげようか?」  突然、そんなことを言われて、先輩を見上げる。  先輩はにこりと笑ってこちらを見ていた。その顔に心臓が限界まで速く鳴る。 「結構です。先輩、受験だってあるのに」 「大丈夫だよ」 「でも、私立の最難関大受けるからって先生も勉強時間のこと気にしてましたよ」 「ダメな時は何やってもダメってこと。後輩に勉強教えるくらいでダメになるなら、俺の能力がそこまでってことなんだよ」  先輩は何気なくそんなことを言う。  なにそれ。先輩って、ずるい。人に期待させることばっか言う。  私は唇を噛むと、首を横に振った。 「でも、やっぱりいいです」  その時、先輩の足が止まった。私も驚いて足を止めると、もう自宅の前についていた。 (もう着いてたんだ……)  ありがとうございます、と頭を下げようとしたとき、 「みゆは……俺といたくないの?」 「え?」  何言ってんの……。訳が分からない。  そう思ったところで、先輩は恥ずかしそうに笑って、頭を掻く。
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