4章:あの事件ととんでもない告白

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「ごめん。勉強見てあげるなんて、そもそも下心で言ったから」 「し、したごころ……って……」 「まだみゆには早いよね」  ふふ、と楽しそうに先輩が笑って、その笑みに目が離せなくなる。  確かに私にはよくわからない。でも、友だちにはキスとか、それ以上とか経験した子もいて、そういう類の話は時々耳には入っていた。  先輩は先輩で、もちろん今まで彼女もいただろうし、もうすでにすごく大人びて見えると言うことは、きっと色々経験しているのだろう。  頭の中がパニックになって泣きそうになっていると、先輩は私の頭を二度叩いた。 「ちゃんとカギ閉めなよ。父親、いつも遅いんでしょ」  そう言って、踵を返して帰っていった。 ―――さっきのは一体、どういうこと? ********************
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